この記事では、私がある日突然襲われた「慢性疲労症候群」という病気についてお話しします。
- 毎日怠くてしんどい。疲れが取れない。会社休みたい…。
- 風邪気味で微熱が続いてるのに、検査しても”異常なし”。
- “うつ病”かと思ったけど、お医者さんは「違う」って。
- 不安で眠れない。どうしたらいいか分からない…。
この症状は、罹患当初の私そのものです。
私は長らくこの不調を
”うつ病”だと思ってました。
でも違ったんです。
あなたが”うつ病”だと思っているその状態はもしかすると別の病気かもしれません。
私の場合は”慢性疲労症候群”でした。
私の経験が、不調に悩む方の何かのきっかけになれば嬉しいです。
▼私が慢性疲労症候群とわかるまでの経緯

慢性疲労症候群とは
慢性疲労 ≠ 慢性疲労症候群
慢性疲労症候群(chronic fatigue syndrome: CFS)とは、これまで健康に生活していた人がある日突然原因不明の激しい全身倦怠感に襲われ、それ以降強度の疲労感と共に、微熱、頭痛、筋肉痛、脱力感や、思考力の障害、抑うつ等の精神神経症状などが長期にわたって続くため、健全な社会生活が送れなくなるという病気です。
この疲労感がやっかいで、重症化すると身の回りの日常生活すらままなりません。
病名のせいで多くの方が勘違いしてしまいますが、
「慢性疲労」と「慢性疲労症候群」は
全くの別物です。
一般的な慢性疲労は、寝たり息抜きしたり、ある程度休息したら回復します。
ところが、慢性疲労症候群は休んでも休んでも回復しないんです。
「認知度の低さからくる誤解」「本人のやる気のギャップ」に苦しむ
慢性疲労症候群は極度の疲労感や各種症状で、自分を保つことに精一杯です。
日常で活動できる時間も限られてしまい、横になってる時間が増えます。
けど横になってるから休めているわけではなくて、横になってた方がマシなだけです。
でも知らない人から見たら、「サボってる」「だらしない」「不真面目」「ずっと寝てる」と誤解を受けてしまいます。
しかし患者本人はいたって真面目で、
意欲的な人が多いんです。
「やりたいのに体が追いつかない」「やればやる程悪化する」と苦しんでる状態です。
自分はやりたいのにできない。
という「本人のやる気のギャップ」
周りからの誤解で冷たい視線を向けられる。
「認知度の低さからくる誤解」
いろんな「辛さ」と向き合わなくてはいけません。
このように誤解を招きやすい病名なので、最近では別名の「筋痛性脳脊髄炎:Myalgic encephalomyelitis(ME)」と呼ばれることも多いです。
以降は「筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群」の略称「ME/CFS」と表記します。
原因不明・治療法もない難病
ME/CFSは「脳の炎症が原因かもしれない」と言われていて2020年5月現在、神経系の病気に分類されています。
「かもしれない」というのは原因や仕組みが不明で明確な治療法がない難病だからです。
患者数も少なくて、全国で0.1~0.3%だそうです。
その中には脳の炎症がある人もいれば無い人もいます。
明確な原因も分からず、
人によって症状も重度も様々…。
こんな難しい病気を研究していくのは絶対に大変です。
だから研究するお医者さんも少なくて、医療現場での認知度も低いです。研究に力を入れてる専門医も数える程しかいません。
(本当にありがとうございます)
私も病気の発症は本当にある日突然でした。
血液検査も異常なし。MRIも異常なし。
数値やデータだけを見ればいたって健康なのに、実際はあらゆる症状に悩まされています。
ME/CFSの症状
ME/CFSの症状は「極度の倦怠感」だけではありません。
風邪・インフルエンザ・うつ病・睡眠障害…
色んな病気の集合体みたいな症状なんです。
「脳の炎症が原因かもしれない」と言われているので、炎症の部位によって各種症状がでているかもしれませんね。
感情を司どる部分が炎症してたら気分障害、みたいな。
- 疲労感
- 微熱・リンパの腫れ・喉の痛み
- 頭痛
- 筋肉痛
- 不眠/過眠
- 気分障害
- 思考力の低下/認知機能障害
- 色んなものに過敏
スマホをいじったり会話したり。
健康な人ならなんてことない作業だとしても。
少しでも体や脳に負担をかけるだけで、
これらの症状がでてきます。(=労作後疲労)
だから日常生活すらままならないんです。
それぞれ見ていきましょう。
①疲労感
■ぽこん( ・x・ )の所感
自分だけ重力が異常です。地球に埋もれそうな程体が重いです。
息苦しくて、動くのもやっとで。
年中無休で倦怠感があるので、もう「スッキリ元気」という感覚を忘れてしまいました。
②微熱・リンパの腫れ・喉の痛み
体温調節機能や免疫機能がバグっちゃうみたいで、常に風邪をひいてる状態です。
■ぽこん( ・x・ )の所感
基本的に体温は37℃台です。もはや平熱です。
以前の平熱は36.2℃だったので、明らかに体温が上がりました。
火照ったり、燃えるような熱さで頭がぼーっとしたり。
喉が痛くなってきたら、労作後疲労の合図だと思ってます。
③頭痛
■ぽこん( ・x・ )の所感
頭をグーっと万力で締め付けられてるような痛みもあれば、キリで疲れているようにチクチク痛んだり。目の奥を握り潰されているような痛さの時もあります。
④筋肉痛
インフルエンザの時を想像してください。
■ぽこん( ・x・ )の所感
私は二の腕や背中、腰、太ももが特に痛みます。
⑤不眠/過眠
脳がバグっていて、活発に働きすぎてしまうため(=過活動)、休もうとしても充分に休むことができません。
眠ることが休むことじゃなくて、「眠る」という作業みたいに感じちゃうんです。
どんどん眠れないことがストレスになって、他の症状にも影響がでて悪化します。
過活動で眠りが浅いからその分多く睡眠時間が必要になり、過眠にもなります。
■ぽこん( ・x・ )の所感
疲れているのに。眠くて頭が重くて仕方ないのに全く眠れません。
頭がガンガンにフル稼働してるのがわかるんです。
ようやく寝つけても、長編大作映画を見ているかのように長い夢をみたり、起きた時も鮮明に覚えてる悪夢をみたりします。
今では睡眠薬を飲んで眠れるようにはなりましたが、それでも睡眠の質は悪いみたいで、毎日10時間くらい睡眠時間が必要です。
※睡眠薬が無いと全く眠れません。だからME/CFSになってからお昼寝もできてません。
⑥気分障害
うつだと思った原因がこれです。
■ぽこん( ・x・ )の所感
脳に負担がかかっている状態だと、些細なことがきっかけで取り乱します。
悲しくて、辛くて涙が止まらなくなったり、無性にイライラしてしまったり。意味ないネガティブなことを考え続けてしまって、余計に辛くなったり。
余裕がない時はコントロールができなくなって、周りの人を傷つけてしまいます…。それにまた後悔して…。
辛くても寂しくてもしんどい時は一人で休むのが一番だと最近気づきました(休職して1年半経ってから)。自分の為にも大切な人の為にも。
⑦思考力の低下/認知機能障害
脳全体の機能低下ということで、言葉を考えたり、記憶することも難しくなりました。
難しくなった=人一倍エネルギーと時間が必要
■ぽこん( ・x・ )の所感
<認知機能障害>
頭で考えていることをうまく言葉にできず、思ってることと違うことを言ってしまったり、考えがまとまらなかったり。
心から落ち着ける人以外との「会話」は「相手の話を聞く・言葉を考える・言葉を口に出す・表情を作る・身振り手振りする」とマルチタスク!フル稼働万歳!状態なのでどんどんしんどくなります…。
効率よく行動することもできなくなりました。だから料理や家事の段取りが悪くてすごく時間がかかります。
<記憶力の低下>
必要なことは「全て」メモしないと覚えていられません。覚えておくことも、思い出すことにもエネルギーを使ってしまうし、メモが無いと何をしたらいいかこんがらがってしまいます。思ったことも、やることも、ぜーんぶメモです。
⑧いろんなものに過敏
■ぽこん( ・x・ )の所感
低気圧・光・音・匂いに過敏になりました。
<低気圧>
気圧が下がると雨晴れ関係なく動けません。息が苦しくて、目も開けられないほど頭が痛くて、悲しい気持ちになります。
<光・音>
スマホの光や白い電気の明かりなど刺すような明かりが眩しいです。音も食器がぶつかり合う音ですら「ズキン」と耳に刺さります。
<匂い>
特に洗剤の匂いに過敏になってしまい、気持ちが悪くなります。ハンドソープも台所洗剤も洗濯洗剤も無香料に変えました。
一言「しんどい」って言っても、私たちME/CFS患者はいろんな症状を背負って「しんどい」と言っています。
私は理解されないしんどさを周りの人が少しでも想像できるように、言い換えて伝えています。
これらの諸症状のせいで他の病気と区別しにくいため、ME/CFSは診断確定が難しいとされています。
私も最初はうつ病だと思ってたくらいです。
そもそも医療界の中ですら認知度が低く、専門医も多くありません。
この病気にたどり着けないまま病院をたらい回しにされ、重症化してしまう方もいます。
「もしかしたら」と思った方は、医療機関のいち早い受診をおすすめします。
■専門医の一覧
筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群 情報サイトの「ME/CFS info」に掲載されています。
症状は人それぞれ
花粉症でも、症状は人それぞれですよね?
それと同じで、ME/CFSも症状や重慶度は人によって全然違います。
私のように作業できる体力がある患者もいれば、重症化してしまい寝たきりの方、車いすで生活している方など様々です。
だから「あの人はできてるのに」と決めつけないでください。
って言われたら悲しいですよね?
どうか認めてあげてください。
私は発症して2ヶ月でME/CFSに辿り着けました。
これはすごく早いんです。
だから重症化も防げて、療養中の今も色んなことができています。
でも、私も「一歩無理すればすぐに悪化してそこから元に戻らないこともある」というリスクを抱えながらに行動しています。まだ自分にできるコト・できないコトを見極めて取説を作っている段階ですが、「絶対今のまま」なんて保証はないんです。
おすすめ書籍
ある日突然、慢性疲労症候群になりました。
ME/CFSのバイブル的存在!!!!
というかこれしか一般向けの本がありません。笑
著者のゆらりさんはME/CFSの患者さんです。
ゆらりさんの実体験を通してME/CFSにの症状や、患者の気持ち、生き方を知ることができ、患者を「リアル」に感じることができます。
漫画形式になっているのでスラスラ読めるし、読んでいて脳疲労でしんどくなることもないです^^
私は彼氏、家族に読んでもらいました。
おわりに:慢性疲労症候群を多くの人に知ってもらいたい
原因不明、明確な治療方針のないME/CFS。
それでも病気と向き合って、幸せであろうとしている方が沢山います。
また、この病気に辿り着けずに苦しんでいる方もいるかもしれません。
このブログを通してME/CFSを知ってくれる人が増え、少しでも救われる人が増えればいいなと思っています。
漢字ばかりの文章で、硬い話になってしまいました。難しい内容もあったかもしれませんが、「こんな病気があるんだな~」と知ってくれるだけでも嬉しいです。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
Twitterもやってます※情報が更新されたら随時加筆修正予定です。
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